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コラム

紙にHELLOと書き、文字を3つ先へずらしてKHOORに変えると、暗号はまず手で触れる遊びとして立ち上がります。そこからブラウザの錠前アイコンを開く気持ちでTLS 1.3の流れを指でなぞると、暗号は遊びではなく、毎日の通信を支える社会基盤だと実感できます。

古典暗号

紙とペンを手にCATと書き、その場で二通りいじってみると、古典暗号の景色が一気に開けます。文字そのものを別の文字に替えれば換字になり、同じ三文字のまま並びだけを入れ替えれば転置になる――同じ平文でも、前者ではFDWのように姿が変わり、後者ではTCAのように位置だけが動きます。

現代暗号

ブラウザでHTTPSのサイトを開いた瞬間、画面には見えないところで「いま誰と鍵を決めたのか」と「その後の本文をどの鍵で守るのか」が一気に走ります。この記事では、まず共通鍵暗号の仕組みと量子コンピュータ時代に何が変わるかの節を先に参照すると、以降の議論の流れがつかみやすくなります。

現代暗号

WebをHTTPSで開き、Wi‑Fiに接続し、ノートPCのディスク暗号化を有効にする。ふだん何気なく触れているこの3つの動作の奥には、同じ名前の暗号がいます。

古典暗号

ピッグペン暗号は、図形記号を使う単一換字式暗号です。筆者も最初は紙に二つの3×3格子と二つのX字を書き、HELLOを一文字ずつ記号に置き換えてみましたが、読めない形が並んでいるのに自分だけは意味を知っている、その妙な手応えが強く残りました。

古典暗号

古代スパルタで使われたと伝えられるスキュタレーは、棒に細長い帯を巻いて文字を書き、ほどくと読めなくなる道具であり、そのまま方式名としても語られる古典暗号です。文字を別の文字に置き換えるのではなく、順序だけを入れ替える転置式暗号で、鍵になるのは送受信者が同じ直径の棒、

古典暗号

映画で見た光るランプの列を思い出しながら、筆者が紙の上で追ってみると、エニグマの1文字は右から左へ進み、反射して、また左から右へ戻る小さな旅をしています。その往復のあいだに、キーボード、プラグボード、ローター、リフレクター、ランプがどう噛み合うのかまで見えてくると、この機械は「複雑な箱」ではなく、

暗号史

毎朝のブレッチリー・パークには、数千通の無線電文が積み上がり、その日のうちに鍵が変わる切迫のなかで解析が始まりました。そこで働いたAlan Mathison Turingを、単なる暗号解読者としてではなく、暗号解読・計算理論・AI思想を貫いた人物として捉え直すのが、本記事の出発点です。

暗号史

朝、まだ霧の気配が残るうちにYサービスの傍受記録が束になって運び込まれ、各Hutへ配られた瞬間から、ブレッチリー・パークの一日は動き出しました。日付が変わる前にドイツ軍の鍵設定はリセットされる。

暗号史

エニグマ解読史は、しばしば英国のブレッチリー・パークだけの英雄譚として語られます。けれど実際には、1932年にポーランド暗号局が開いた数学的突破口があり、1939年7月のワルシャワ近郊では複製機やZygalski sheetsが机上に並び、その知見が英仏へ手渡されていました。

古典暗号

シミュレーターでAキーを連打すると、同じキーしか押していないのにランプは毎回ちがう文字へ飛びます。あの小さな驚きの正体こそ、ローター機エニグマの核心です。電流が行って帰る一本の道の上で、ローター配線、回転、リング設定、プラグボードが切れ目なく働いています。

暗号史

ブレッチリー・パークの小屋に朝が来るたび、日付とともに鍵はリセットされ、打鍵の音、リレーの唸り、紙テープの風切り音がせわしなく重なりました。そこでまず混同をほどいておくと、ボンブ=エニグマ、コロッサス=ローレンツ(Tunny)です。