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クリプテックスは、2003年刊行の『ダ・ヴィンチ・コード』のためにダン・ブラウンが生み出した、暗号と写本を掛け合わせた携帯型の金庫である。レオナルド・ダ・ヴィンチの発明ではなく、物語の中で聖杯の在り処を守る要石として置かれた道具だ。

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ダイヤル錠は、古代ローマ以来の南京錠の発想を受け継ぎつつ、1857年に番号を変更できる仕組みとして発明された、手のひらサイズの機械式暗号装置である。空港のカウンター前で搭乗時刻が迫るなか、スーツケースの3桁ダイヤルを頭から回し続けた経験があると、この金属の塊は何も語らないように見える。

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調達仕様書のレビューで、アルゴリズム名だけが並び、肝心の鍵長がどこにも書かれていない文書に出会ったことがあります。その場では通っても、後日AESの解釈がベンダーごとに割れ、評価軸のすり合わせがもつれた経験から、暗号は名前だけで選ぶものではないと痛感しました。

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机の上にO U O S V A V Vだけが刻まれた紙を置いて意味を考えてみると、未解読暗号の難しさは一瞬で伝わります。手がかりが少なすぎると、解読はひらめきの勝負ではなく、検証そのものが立ち上がらない。

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暗号の本は、歴史から入るか、仕組みを先に押さえるか、実装に触れるか、理論を掘るか、耐量子まで見据えるかで最適な一冊が変わります。本稿はおすすめ10冊を読者タイプ別に整理し、「最初の1冊」と「次に読むべき一歩」を具体的な学習順序とともに提示します。

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紙と鉛筆で短い暗号文の文字を数え、まずはEやTらしい文字に印を付けていくと、暗号を「読む」感覚がふっと立ち上がります。ただ、その楽しさの先には、鍵を知って元に戻す復号(decryption)と、鍵に触れずに平文や鍵を引き出そうとする暗号解読(cryptanalysis)は別物だ、

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イミテーション・ゲームで繰り返し話題になる“お決まりの挨拶”を思い出すと、既知平文攻撃の勘どころがすっと入ります。たとえば読者自身がシーザー暗号の1文字だけ「この平文がこの暗号文に化けた」と知れば、1分もかからず全体のずらし幅に手が届くはずです。

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謎解きイベントの帰り道、ふと見つけたSGVsbG8gV29ybGQ=という文字列をスマホで試したら、数分で「これはBase64らしい」と当たりがつきました。暗号っぽい文字列は、勘に頼って総当たりするより、まず種類を見極めて、仮説を立て、復号し、結果を確かめる順で触ると、一気に景色が開けます。

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謎解きで使う「暗号」は、まず換字式・転置式・ステガノグラフィーの3つに分けて眺めると、どこが違ってどこで詰まりやすいのかが一気に見えてきます。筆者の事例として、A1Z26で文字に直し、鏡文字で向きをひっくり返し、その先の場所指定につなぐ三段構成が短時間でうまく回り、参加者の表情が明るくなることがありました。

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ノートの片隅に「8 5 12 12 15」とだけ書いて友人に渡したら、どこまで通じるでしょうか。筆者はそんな小さな実験から、数字で文字や意味を写す方法を整理したくなりました。

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HNDL攻撃(Harvest Now, Decrypt Later)は、今は読めない暗号化データをいま集めて保存し、将来の計算能力であとから解読する攻撃です。社内向けのセキュリティ勉強会で「量子はまだ先でしょ?」という反応を聞いたとき、筆者も最初は同じ感覚でしたが、

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通販サイトでHTTPSのログイン画面を開くときも、VPNで社内につなぐときも、長く残したい個人写真のアーカイブを外付けストレージに保存するときも、私たちは暗号の上で暮らしています。本稿は、量子コンピュータが暗号に与える影響の実像を整理し、どの資産を優先的に保護すべきかを示す地図です。