最新記事
歴史を変えた暗号学者8人|暗号解読の連鎖
1940年代のある朝、ブレッチリー・パークの机には無線傍受紙が山のように積まれていた。日替わりの鍵が変わる前にその日の通信を開かなければならない切迫した空気が、常に場を満たしていた。
メアリー女王の暗号とバビントン事件|解読と処刑の連鎖
チャートリー城の薄暗い部屋で、秘書が小さな記号表を指でなぞりながら記号を並べていく――その手触りを思い浮かべると、1586年のバビントン陰謀事件は「暗号が破られた話」だけでは済まないとわかります。
日本の暗号史:忍者の隠書から紫暗号機へ
夜の村を駆ける密使が懐に忍ばせるのは、ごく短い密書でした。そこから二百数十年後、1939年の霞が関では外交官がタイプ音を響かせ、暗号機B型、通称パープル暗号で欧文電報を打っています。
ヴォイニッチ手稿とは?史実・仮説・最新研究
イェール大学バイネキ稀覯本・手稿図書館の高精細ビューアでヴォイニッチ手稿の植物ページをフルスクリーンにすると、どこか薬草書を思わせる葉や根のかたちが目に入るのに、その脇を埋める連続した字形だけは一文字もこちらに開いてくれません。
未解読の暗号5選|クリプトスとビール暗号、番外ゾディアック
机の上にO U O S V A V Vだけが刻まれた紙を置いて意味を考えてみると、未解読暗号の難しさは一瞬で伝わります。手がかりが少なすぎると、解読はひらめきの勝負ではなく、検証そのものが立ち上がらない。
暗号の本おすすめ10冊|入門から専門・耐量子まで
暗号の本は、歴史から入るか、仕組みを先に押さえるか、実装に触れるか、理論を掘るか、耐量子まで見据えるかで最適な一冊が変わります。本稿はおすすめ10冊を読者タイプ別に整理し、「最初の1冊」と「次に読むべき一歩」を具体的な学習順序とともに提示します。
暗号の解き方 入門|復号との違いと基本手順
謎解きイベントで拾った英字の暗号メモを前に、筆者はスマホを開かず、紙と鉛筆だけで文字の並びを眺め、まず換字か転置か、短文か長文かを見極めるところから始めました。観察して仮説を立て、1つずつ確かめていくと、暗号は思ったより「勘」ではなく手順でほどけます。
頻度分析の始め方:単一換字の解読手順とIC・カイ二乗
短い暗号文を紙に印刷し、鉛筆で正の字を書き込みながら最頻文字に丸を付け、目立つ二文字列に下線を引いていくと、ただの記号の列だったものに急に輪郭が出てきます。頻度分析の核心はここにあります。自然言語の文字の偏りは、単一換字式暗号にかけても消えず、そのまま暗号文に残るのです。
暗号解読の方法一覧|復号との違いと攻撃モデル
紙と鉛筆で短い暗号文の文字を数え、まずはEやTらしい文字に印を付けていくと、暗号を「読む」感覚がふっと立ち上がります。ただ、その楽しさの先には、鍵を知って元に戻す復号(decryption)と、鍵に触れずに平文や鍵を引き出そうとする暗号解読(cryptanalysis)は別物だ、
既知平文攻撃とは?COA/CPA/CCAの違いも整理
イミテーション・ゲームで繰り返し話題になる“お決まりの挨拶”を思い出すと、既知平文攻撃の勘どころがすっと入ります。たとえば読者自身がシーザー暗号の1文字だけ「この平文がこの暗号文に化けた」と知れば、1分もかからず全体のずらし幅に手が届くはずです。
シーザー暗号の解き方|総当たりと頻度分析で解読
謎解きイベントの会場で、紙片にKHOORとだけ書かれていたことがあります。筆者はその場で A から Z の円環を指でなぞり、3つ戻してHELLOを取り戻しました。シーザー暗号はこうして手で追えるくらい素朴な暗号ですが、解き方の筋道を知っているかどうかで、見える景色が変わります。
ヴィジュネル暗号の解読|カシスキー・テスト入門
ノートと蛍光ペンだけで暗号文の反復列を追っていると、ただの文字の森だったものが、距離の公約数を拾った瞬間に急に筋道を持ちはじめます。筆者にとってヴィジュネル暗号は、その「鍵長が見える瞬間」がいちばん面白い古典暗号です。